男性が脱毛していってしまう原因として遺伝的要因もあるとされるAGAと呼ばれる男性型脱毛症がありますが、これは女性では発症しないものとされており、男性ホルモンであるテストステロンがデヒドロテストステロンとなって増えることにより生じるものとされています。しかし、女性の場合にも遺伝によって抜け毛が進んでしまう可能性もあるということは留意しておかなければならないことであり、FAGAという疾患もだんだんと知られるようになってきている現状がありますが、診断も治療もおこなっていくことができるということを知っておくと安心することができるでしょう。
AGAと呼ばれる男性型脱毛症は男女を問わずに髪についての知識がある人であればその名前を聞いたことがあるものとなりましたが、特に男性にとっては切実な問題であり、もし父親が薄毛であるという状況を見ていて、その進行の仕方がAGAに典型的なM字脱毛やO字脱毛であったりすると、自分もそうなってしまうリスクが高いと考えざるを得ないということになります。AGAは遺伝するものであるということが知られているためであり、その不安がある人は検査を行うことによってAGAになる素因があるかどうかを調べることができますが、いつそれが発症してしまうかはわからず、日々前髪の生え際や頭頂部を気にしながら生活しなければならなくなってしまうという状況に陥ることになってしまいます。しかし、これは男性に限ったことではなく、女性にも起こることであるということが研究により明らかとなってきており、AGAとほとんど変わらないメカニズムによって起こるFAGAという病気も知られるようになりつつあり、その遺伝性についても明らかとなって検査キットすら開発される状況が生まれてきているのが現状です。母親がFAGAである場合にはその娘もFAGAになりやすいということが明らかになっており、抜け毛のパターンも男性と同じように進行する場合がおおいということがわかっているため、多くの人が恐れおののくものとなってきています。
メカニズムとして男性ホルモンであるテストステロンから生成されるデヒドロテストステロンが頭皮に増えてしまうことによって髪の成育が妨げられてしまうことになるというのはFAGAでもAGAと同じとなっていますが、その原因についてはそれほど明確になっていないのが現在の状況であり、個人によってその要因が異なると言わざるをえない状況があります。しかし、AGAに用いる治療薬として知られるフィナステリドを含む薬は使用することができず、治療の方針としてはホルモンバランスを整えたり、ストレスを軽減させていったり、食生活や生活習慣やヘアケアの行い方を整えていったりするというのが基本となっており、多くの場合にはそれだけで症状が改善していくとされています。もともと男性ホルモンが優位ではないのが女性であり、正しいホルモンバランスになるような生活をすることができればそれで解消されてしまうのがFAGAの特徴です。そういった意味においては母親がAGAのように脱毛をしていってしまっていても必ずしも娘に発症するとは限らないという点でAGAよりもリスクが低いものであり、たとえ発症してしまっても治しやすいものという理解をしていて問題がないのです。
男性に起こるAGAは男性に特有のものですが、同じメカニズムで女性にも抜け毛が起こってしまい、それが遺伝性を持っていることも示されてきています。しかし、AGAに比べると治療も容易で発症しない可能性も高く、それほど心配がいらないものであるということは理解しておくに越したことはありません。