化粧品や美容液などで度々目にすることが多いコラーゲンですが、実は薄毛や抜け毛対策にも有効であることが最近の研究で分かってきました。では早速、美容成分で有名なコラーゲンが抜け毛予防や薄毛対策に効果的な理由を解説していきたいと思います。
目次
コラーゲンとは
頻繁に耳にするコラーゲンですが、実際にコラーゲンって何?と聞かれると分からない方も多いのでないでしょうか。コラーゲンとはタンパク質の一種です。約30種類のポリペプチド鎖が複雑に組み合わさり、19種類のコラーゲンが存在しています。なお大きくカテゴリー分けすると以下の様に分類できます。
・Ⅰ型コラーゲン:体内の90%はこのコラーゲンです。骨や皮膚などの弾力性を形成。
・Ⅱ型コラーゲン:関節や軟骨など体の節々に含まれて骨のクッションを担うコラーゲン。
・Ⅲ型コラーゲン:内臓や臓器などの器官に含まれて組織の柔軟性を担うコラーゲン。
・Ⅳ型コラーゲン:皮膚組織(表皮・真皮)に含まれるコラーゲン。
・Ⅴ型コラーゲン:血管や筋肉に含まれるコラーゲン。体内にはごく少量。
コラーゲンは頭皮に必要不可欠
頭皮も肌ですのでⅠ型やⅣ型のコラーゲンを含んでいます。また髪の毛を作り出す毛乳頭細胞の周りにある真皮の70%はコラーゲンで出来ているといわれています。このコラーゲンが減少すると、頭皮の「柔軟性」「弾力性」「保湿力医」が落ちて頭皮が固くなります。そうなると、毛乳頭細胞の活動も落ちてきてしまうことで、抜け毛や薄毛などの原因に繋がる可能性があります。
なお、先日話題になった東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授らの研究グループが発表した17型コラーゲンはまた別の話になりますので、混同しないようにしてください。なお、17型コラーゲンは下記ページで詳しく説明しています。
>17型コラーゲンの減少で薄毛と白髪の進行が判明?!効率的な摂取方法とは
コラーゲンは髪を太くする
また、コラーゲンは頭皮だけでなく毛髪にも影響を与えます。毛髪科学研究会で2008年に発表された研究には、コラーゲンペプチド(5000mg)を8週間摂取した20代から50代までの女性の髪の毛が太くなったという実験結果がありますし、アメリカの研究機関でもコラーゲンを一日14g、2ヶ月摂取した被験者の髪の毛が10%太くなったという実験結果があります。
特にこの研究結果は女性を対象として検証されていることから、薄毛に悩む女性にとっては非常に意味のある研究結果といえます。
コラーゲンの体内量は加齢と共に減少
コラーゲンも年齢と共に体に保有できる量も減少していきます。肌のハリやツヤが落ちてくる現象や、顕著な例としては、高齢になると腰や膝などの関節痛に悩むようになるのですが、このほとんどの原因が骨と骨の間にあるクッションの役割をしていたコラーゲンの減少です。意外に身近な現象が体内のコラーゲンが減少に関係していることが分かります。
体内のコラーゲン量を20代を100%とすると、40代で約70%、50代で約半分、60代では30%程度と50代以降は急激に減少していきます。その為、頭皮のためならず、しっかりとしたコラーゲン補給などを心がける必要があります。
コラーゲンの補給方法
コラーゲンドリンクなどが流行っていますが、一般的なコラーゲンをそのまま摂取しても体内でアミノ酸に分解されてしまい、吸収率もあまり高くないため、あまり意味がありませんので注意が必要です。そんな中で、いくつか女性でも気軽にできるコラーゲン補給方法がありますので、紹介していきたいと思います。
必須アミノ酸を食べ物で摂取
コラーゲンは体内でアミノ酸から合成されます。アミノ酸は食べ物からしか補給できない「必須アミノ酸」と、体内で合成できる「非必須アミノ酸」の2種類があります。その為、必須アミノ酸を積極的に取ることで、体内のコラーゲン生成をスムーズに進めることが可能です。そして重要なのが毎日続けることです。日々の体内で合成できるコラーゲン量は決まっていますので、日々定期的にケアをしてあげる必要があります。
具体的に手軽に買える必須アミノ酸が多い食品としては、可食部100gあたりで考えると豚肉(9,160mg)、鶏卵(5,350mg)、かつお(11,520mg)などがあります。またビタミンCは体内でコラーゲンを生成する為に必要な役割を果たしますので、ビタミンCを一緒に取ることでよりその効果は高まります。
コラーゲンペプチドを摂取
コラーゲンペプチドとはコラーゲンを加水分解して分子量を細かくすることで、体内の吸収効率を高めたコラーゲンです。冷却してもゼラチンの様に固まらない性質から、最近ではコラーゲンドリンクなどにも有効活用されています。お金に余裕があるのであれば、コラーゲンペプチドのドリンクで補給するのが効率的で一番良いでしょう。
なお、育毛剤にもコラーゲンペプチドが配合されているケースがありますが、これはほぼ意味がありません。胃腸で吸収するのと、頭皮を通って吸収するのとでは何十倍も吸収効率が違います。
コラーゲンの摂取量と注意点
水分も塩分もそうですが、過剰に摂取すると体にダメージが残ります。特にコラーゲンドリンクなどを飲む際に容量用法をしっかり守りましょう。というのも実はコラーゲンの適切な摂取量というのは決まっていないので、日々毎日の摂取を心がけることが重要です。
なお、人によっては「アレルギー反応」「肝障害」を引き起こす可能性があるので、兆候が見られた場合には直ぐに医師に相談してください。
【まとめ】コラーゲンで頭皮改善! 抜け毛予防や薄毛対策などに効果的な理由と摂取方法
コラーゲンが頭皮に如何に必要な成分で、薄毛や抜け毛に関係があるかがお分かりいただけたでしょうか。そして年々減っていく体内のコラーゲンに対しては、やはりコラーゲンペプチドのドリンクなどで積極的に摂取して補給しておくことが重要です。抜け毛が増えた際には、お肌のシワやハリの状況からコラーゲンが原因である可能性も頭の片隅に置いておきましょう。